葬送曲と鎮魂歌

菅総理辞任の葬送曲が鳴りやまず、民主党の鎮魂歌が流れ続けている。実質崩壊している民主党が弥縫策とも言うべき「大連立」への道を模索している。

政権運営のノウハウもなければ経験もない有象無象の輩といえば失礼だが、成り上がり根性丸出しの猟官運動ばかりが目立った。政権獲得と同時に始まったのが、何のことはない、欣喜雀躍して、役職の奪い合いであり、足の引っ張り合いであった。
トップに立つトロイカ体制の三人衆に総理大臣の器量が無かったことが致命的であった。

「大連立」とはそもそも何であるのか。メルトダウン寸前の民主党が政権政党として形だけでも存続し続けるために、一切の矜持(あれば!)をかなぐり捨てて野党自民党と野合することにより、捻じれ国会(参議院)を乗り切るのが目的なのか。

「政界再編」を求めて来たことはあるが、在り合わせの具材を全てかき集めて、自民党風味の民主党懐石(あるいはその逆)を作って供してくれと望んだことはない。

自民党から出馬したいが公認がとれない。民主党なら公認がとれそうだから民主党から立候補する。手っ取り早く代議士になるために公明党に入る。そのためには創価学会の会員になる。このような、主義主張も定かでなく、ただ国会議員になりたいという手合いが永田町を埋め尽くすようになって久しい。

それでも国会議員のごとく振る舞えるのはなぜか。
それはつまるところ、国内の政治は強力な官僚組織が仕切っているし、国際政治は米国の指示に従うしかない。あとは財界の「ご要望」に如何に応じるかであり、財界から要望されるように「柳腰」でにじり寄っていく才覚があるか否かにかかっている。

敗戦によって米国の支配下にはいった日本が真の独立国になるには、米国と戦争をして勝つか、米国の瓦解という事態が到来しなければ有り得ない。

沖縄の返還は軍事基地として米国が自由に使用できることが条件である。そればかりか、日本の本土にも堂々と米軍の基地が陣取っている。これらの基地を撤去させることが出来る筈もない。

独立国としての軍隊を持つことを許されず、いまだに米国産の憲法を後生大事に守り続ける日本を本当の独立国だと認める世界の国家は存在しない。

軍事力をもてない日本は「経済力」で世界に認めてもらうしかなかった。米国の軍事力に庇護された「商人(あきんど)国家」としてしか生きてはいけなかった。

経済、つまり「金儲け」が国策になり、唯一それだけが目的の国家になった。米国に貢ぎ、米国の代わりに他国に貢ぐという宿命を負わされ、なりふり構わずこの道に邁進する他はなかった。その結果、カネの匂いを追いかける国会議員だけが残ってしまった。

そのような国に、真の独立国としての国会議員が育つ筈がない。このような国の国会議員が国際政治の力をつける機会があるはずがない。「永田町に人物なし」は至極当然の帰結である。

では、この国の代議士たちはどのようなスキルが身につくのか。「利権」の匂いをかぎわける「利犬」のような鼻が発達するだけである。
次に、政局という「内輪喧嘩」が無性に好きになる。なぜなら、国民に政治のために汗をかいているような姿をみせられると思っているからである。

日本の国益を賭けた国際政治が出来る訳でもなく、国内政治すら毎年米国からの指令待ちである。この国には国会議員は必要でないとすら言えるのが実情である。

民主主義国家の体裁をとっているので、一応国会討議もどきの田舎芝居を打たせなければならない。そのための役者が必要なだけである。バカでもなんでもいい。なまじ頭がよくて能力があっても、結局はバカと同じことしかさせてもらえないのだから、芸能人でも格闘技あがりでもなんでもいい。これが実情である。

品格も知性も感じない若造の仙石氏が暗躍しているとか、大島自民党副総裁が偉そうなそぶりをしているとか、マスコミは連日報道しているが、このような国のマスコミが発達するわけがない。田舎芝居政治のチンドン屋かビラ配りがせいぜいであろう。

せめて、旗幟を鮮明にした「政界再編」をして欲しい。米国の傘の下である現実は動かせないながらも、冷戦構造が崩壊した刻下、どのような外交をするのか、内政はどうするのか、はっきりした政治的主張を聞きたい。それがせめてもの役割であろう。

国会の捻じれの前に、政党内の捻じれを整え、政治家個人の頭の捻じれを解消することだ。でなければ、「あなた方はいったい何者ですか?何をする人ですか?」と一人一人に質さなければならなくなっている。いっぱしの政治家ぶるのは止めて戴きたい。騒がしいだけであり、片腹痛いだけである。
スポンサーサイト
.11 2011 未分類 comment0 trackback0

comment

post comment

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://ebsbenkei.blog129.fc2.com/tb.php/114-7b37c3b3

プロフィール

Author:須藤文弘




歯科医師(1942年2月生まれ)
医事評論家
歯科医療コンサルタント
NPO法人日本歯科保健機構 理事長
東京医科歯科大学 昭和43年卒

 

最新トラックバック

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR