ふたりの トラスト ミー 

確認書に念の為サインをと求める鳩山元総理大臣に対して、「私を信じて下さいよ」と応じた菅総理大臣は背信した。鳩山氏は、「嘘をついてはいけない。それではまるでペテン師ではないか」と悔しさを滲ませた。一国の元元首が現元首を「ペテン師」と決めつける事の意味は大きい。

その鳩山元総理大臣は、米国大統領オバマ氏に沖縄の基地問題で「トラスト ミー」と、彼の耳元で囁き平然と反故にした。「鳩山はペテン師だ」とオバマ氏がホワイトハウスで喚いたとの話は伝わっていない。さすが米国大統領というべきか、日本国総理大臣の「言」など端から信用していないというべきか、このことの意味も大きい。

元日本の元首と現日本の元首が図らずも「信用がおけない卑劣漢」であることを内外に周知せしめた。国家と国民にとっての被害は計り知れない。我が国は、「原子力発電」による甚大な被害に引き続き、「卑劣漢の発言」によって国の内外にわたって、再び未曽有の被害を受けている。

「信じてくれ」の言葉の意味が分からないとすれば、知的に劣勢である。「信じてくれ」の重みが分からないのであれば、道徳的に劣勢である。当然国を託するに値しない人物であるとの烙印を押されてしかるべきである。

民主党政権になって、国会議員が、実は標準以下の人物の集合体であることが前景化されたと言えるのではなかろうか。なぜこのような悲惨な状態に陥ってしまったのであろうか。我々国民はこの事態を避けて通ってはならないし、深刻な反省が求められている。

国民が信用できる総理大臣、国際間で信用され敬意を払われる総理大臣を持つことが出来るのであろうか。寒々しい現実に戦慄を覚えざるを得ない。

街頭でインタビューを受ける善男善女が、間発を入れずに応じる「誰がなっても同じじゃない!」に、臍をかみながら苦々しい思いをするようになって久しい。

戦後65年以上経過した日本の民主主義政治はかくのごとき、つまり、「誰が総理になっても同じ」という浅薄極まる事態になってしまったという事である。「政治に無関心」、「政治家に無関心」、政治というのは国民の日々の生活と何の関わりがないかの如きものになってしまった。

当然であろう。
選出された国会議員に対して、「いいな。俺たちが『お前さん』を議員にしてやったのだからな。その事を片時も忘れるなよ。そうでなければ次回の選挙はないものと思うんだな」と地域選挙区で恩に着せられる。それに対して平身低頭して忠誠を誓う。

各種団体からは、「いいな。お前の役割は分かっているな。偉そうにすれば、次は『木から落ちた猿』になると覚悟しろ」と恫喝され、全国の団体の支部周りを強要され、人寄せパンダの役回りを強制される。地方巡業に振りまわされて喜んでいる。

国家国民の視点に立って国会議員らしい言説・行動をすれば「何を勘違いしているんだ。お前が大きなことを考える必要はない。そんなつもりでお前を国会に送ったのではない。業界の利益のために粉骨砕身すればいいのだ」と厳しく叱責される。

これでは、地域からも団体からも初手から有為な人材は排除されてしまう。議員でいるためには恥も外聞もなく要望に応じる人物。官僚にひれ伏してでも地域や団体の利益を引っ張り出す議員が有能な議員であり、国家国民のために仕事をする議員は「勘違い野郎」ということになってしまう。

これでは、「原子力村」と同じである。公約は守らない。官僚に逆らわない。国家国民等と大きなことは言わない。政治資金と称する献金は黙って受け取る。視察と称する物見遊山に五月蠅いことを言わずに参加して皆と同じように遊ぶ。さもなくば、「村八分」だ。

刻下の日本の政治の実態は、このような低劣な道徳レベル、知的レベルの国会議員がメインストリームを埋め尽くしているという重篤な病魔に侵されている事を、国の内外・満天下に曝してしまった。

この、政治的災害復旧も、福島原発事故の災害の復旧に劣らず深刻な事態である。日本国民は「二重の人災」によって極めて困難な状況の追い込まれたと言ってよい。

就任前から、就任当日から、「菅氏は総理の器に非ず」と叫び続けて早一年。日本の政治状況からみて、続く人材に展望がない。次が決まれば再び、マスコミの総攻撃が始まるであろう。日本の識者賢者は斜に構えて冷たい視線を送るであろう。また同じことの繰り返しとなる。次の総理も委縮してしまうであろうし、性質(タチ)が悪ければ菅氏のように居直るであろう。

総理選出の母集団を変えなければならないが、再び長い年月を要する。次の衆議院選挙で国民が誰を選びえ、マスコミがなにをキャンペーンするかに望みを託すばかりである。
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.06 2011 未分類 comment0 trackback0

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須藤文弘

Author:須藤文弘




歯科医師(1942年2月生まれ)
医事評論家
歯科医療コンサルタント
NPO法人日本歯科保健機構 理事長
東京医科歯科大学 昭和43年卒

 

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